介護職の離職率は、約16%に上ります。離職率が高いと長年言われている看護師でも11%ですので、介護職の離職率の高さは、危険水域を超えていると言えます。
どうしてこんなに離職率が高いのかと言うと、表向きは、出産育児や親の介護のための離職という理由になっていますが、実情は人間関係の複雑さと、収入の割に合わない長時間労働に問題があると言われています。
介護職の現場には、看護師など専門職の人が常駐している場合があります。国家資格を持っている故のプライドが時に悪い方向に出て、調整や話し合いがうまく運ばないということがしばしば起こるようです。それに、例え年下でも経験が長いほうが先輩という風潮があり、新人として入ってきた中高年の人にタメ口を使うなど、人間の尊厳に抵触するトラブルが起こりやすい傾向があります。
ストレスが溜まりやすく、離職に繋がりやすい介護現場の現状を変えようと、働き方改革を行う施設が増えてきました。勤務時間を複数作って柔軟な働き方を支援する動きや、長時間労働を防ぐ取り組みを開始している施設もあります。さらには、業務プロセスを見直して無駄な動きを減らす取り組みがされたりと、少しずつですが改革が進んでいます。労働時間が短くなり、業務も簡略化されると、スタッフの苛立ちが少しは解消され、職場の雰囲気も変わってきます。
しかし、常に人材不足の介護の現場では、改革に乗り出す余裕がない施設もあり、なかなか業界全体には浸透していません。求人を探す際は、働き方改革を行っている施設かどうかをよく確認する必要があります。
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